ジム・ジャームッシュによるラファエル・ローゼンダールへのインタビュー、Textfield Magazine のための

JJ: チェルシーでやったジェフ・クーンズ展のオープニングで会ったよね。
RR: 名刺を持ってあなたのとこへ走っていった…

JJ: そう、あれまだ持ってると思うよ。
光沢のある白地に黒い燭台と「thanks」って言葉が印刷されてた。

RR: えー覚えてるの!

JJ: うん
RR: このインタビューをしてくれるのとてもありがたいんだ、すごく忙しい人でしょ。

JJ: 大丈夫だよ、忙しくならないようにしてるし。空白の時間を多く作るようにしてる。
RR: 空白の時間?

JJ: つまり、何事に対してもプロフェッショナルになりたくないからね、まったく意味のないことをする時間を持つ必要がある。こういうことをするのもそういう理由からだよ。
RR: あーたしかに、ぼくと話することは無意味だよ(笑)

JJ: まあね。じゃあインタビューを始めよう…。
ほんとにアニメ(訳注: 原文では cartoons 、以下すべて cartoons は「アニメ」とした)にはまってるの?

RR: すごくね、いっつも見てる。アニメを見てると、なにかとてもいい感じがする、ほんとに暖かくて、癒される感じ。

JJ: 好みはある?
RR: いろいろ見る、けど全体的にアメリカのアニメが好きかな。初期のディズニー、ベティ・ブープ、ロードランナー、レンとスティンピー、サウスパーク。たまにポケモンとか80年代のひどいアニメも見るけど。
スーパーモデルのチームが撮影で地球一周旅行するんだけど同時に世界を救うために秘密のミッションをこなしていくってやつがあるんだよ。

JJ: おもしろそう。
RR: すごくいいんだよね、アニメーションがほんとにしょぼくて、ほとんどの時間セリフしゃべってる口以外は静止画。

JJ: サウスパークみたいに?
RR: そんな感じ、スクービードゥーみたいって言ったほうがいいのかな、そうしたいんだけど成功してないっていうか。
スクービードゥーはすごくいいから。

JJ: 映画のスクービードゥーは見た?
RR: あーああいうアニメ作品の実写版は嫌い。
台無しにしてるよ、アニメの核心は写真から遠ざかることなのに。
アニメの絵のほうが写真よりいいって言うとバカげてきこえるかもしれないけど、それは事実なんだよね。

JJ: アニメを見ることは君にとってノスタルジーなのかな?
RR: 古き時代へのってこと?

JJ: 子供の頃へのノスタルジーって意味、子供のときアニメを見た記憶がよみがえるとか。
RR: いや、見るのをやめたわけじゃないから、ノスタルジーとは呼ばないんじゃない。
なにかを失ってからはじめてノスタルジックになると思うんだけど。

JJ: アニメ見てたでしょ?
RR: 実際はぼくが小さい頃オランダのテレビではそんなにたくさんアニメをやってなかった。
子供向けのテレビは教育的なものを期待されてて、怖い映画俳優が面白くふるまおうとするやつがほとんど。
母親が言ってたけどぼくはいつもコマーシャルを探してチャンネルを変えてたらしい。そこにアニメ的なものが一番多くあった。

JJ: 自分でアニメ作品のシリーズを作ろうと思ったことはある?
RR: ない、まったく。ストーリーに興味がないから。
ストーリーは面白いけど、ぼくの頭がそういうふうになってない。

JJ: どういう意味?
RR: ええと、10歳のときのことを覚えてるんだけど、アニメの動きがループしているもの、それを壁に投影してずっと見てられるような、そんなのを作れたらいいのにと思ってた。

JJ: 絵画のような?
RR: そんな感じ、見続けることができて、ずっとそこにある。
1930年代のアニメーター達はお互いにキャラクターの歩き方で誰が描いたか識別できたっていう記事を読んだことがある。つまりそれなんだよ。それが肝心で、あとは余分、歩くことの話だった。ぼくが当時思い描いてたのもまさにそれで、投影機はぼくのキャラクターが歩くのを永遠に投影しつづける。

JJ: でストーリーはそこにはないと?
RR: うーん、ストーリーはある気がするな、でもあり方が違ってて、たぶんぼくの作品を全部いっしょに見たとき、そこにストーリーって出てくるでしょ。でも「むかしむかしあるところに」的なものじゃない。

JJ: 今アニメはどんなふうに君に影響を与えてる?
RR: いろんなふうに…。アニメの中ではとてもたくさんのことが起こるし、それはとても豊かなソースだよね。ぼくは特に古いアニメが好きで、その作られ方が好きだ。ディズニーのシリー・シンフォニーみたいに、ストーリーはアニメーションから生まれていくように見える、その逆じゃない。彼らは遊び回っていて、それを見たとたん、そこにあるのは動きであって、絵や描かれた文字ではないとわかる。
いいなと思うのはアニメはもはや動くドローイングを意味するだけじゃないってこと、「アニメ的に聞こえる音楽」とか「アニメみたいな顔」とか言うことができる。「詩的」って言葉が、詩じゃないものを指すみたいに。
まぁでも、ほとんどすべてのアニメは心地いい、ぼくがアニメを必要とする理由はそれだね。

JJ: なんで心地いいんだろう?
RR: 正直それがわからないんだよね。

March 18, 2005

http://www.newrafael.com/jim-jarmusch-interviews-rafael-rozendaal-for-textfield-magazine/

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